シニア・コミュニティ 2014年3・4月号・88号

【特集】サ高住の課題と展望

[特集]《巻頭インタビュー》
より広く、より自由に。時代のニーズをしっかり捉えてこそ大きく展望が開ける「サ高住」。

一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会副会長
株式会社シルバーライフネットワーク 代表取締役 向井 幸一 氏
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の現状があまり耳に届いてこない。超高齢時代における住宅政策の切り札として、華々しく制度がスタートして今年で4 年目を迎えているが、高齢者のための“ 終の棲家” としてしっかりと根をおろしているのだろうか。有料老人ホームとの一体化によって分りにくくなったとも言われ、施設の補完的機能でしかないのではないかという声も無いではない。しかし、すでに4,300棟を超え、13万戸を超える「サ高住」が供給され、もう新しい“ 生活” が始まっている。これをどう活かし、豊かな老後を支える“ 住宅”として進化させていくかは、国と自治体、そして地域、事業者のサポートと共に、国民一人ひとりの“ 自立した生き方”にかかっ ているのではないか。「サ高住」の課題と展望はいかに。サービス付き高齢者向け住宅協会の副会長であるとともに、長く「サ高住」の 現場で運営に携わる向井幸一氏に聞く。

[特集]制度創設から4年。見えてきた!「サ高住」の現状と課題

“ 施設化”するサ高住。 サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)は平成26年1月の時点で4,296 棟、138,254 戸が登録されており、高齢者の住宅として少しずつではあるが市民権を得つつあるようにもうかがえる。制度創設から4年目を迎えようとしている今、入居者の実態をはじめ、居室の広さ、併設するサービス、そして事業者のスタンスなど、ようやく見えてきた「サ高住」の現状と課題を、一部ではあるが各種の調査結果をもとに整理をしてみたい。

[特集]サ高住の新しい文化を生きる楽しさを追求するオランダモデルとは

世界で最初の介護保険制度を作ったオランダ オランダは、古くは、その地形から運河が発達して海外貿易が盛んとなり、16世紀には株式会社などの様々な近代的な制度が生まれた。また北海の荒海に面したその運河を管理する必要から、オランダが近代国 家として独立を果たした17 世紀にはアムステルダムにすでに孤児院などの社会福祉制度も存在している(参照:弊誌2013 年7・8月号 第84号)。 また、ごく最近では非正規の労働者雇用問題を解決するワークシェアリングのような新しい雇用の考え方もオランダで生まれた。

[新医療通信]家族の介護負担感を軽減する認知症介護者へのグループ療法

順天堂東京江東高齢者医療センター 順天堂大学医学部附属病院の1つ、順天堂東京江東高齢者医療センターのメンタルクリニックでは、認知症高齢者の増加に伴う介護者の増加に着目し、そのメンタルヘルスを目的とした集団精神療法(グループ療法)に取り組んでいる。家族介護者に対するグループ療法は、全国的にも珍しいものだが、介護負担感を軽減する効果が現れている。

[経営課題]《現場発 施設長の声》在宅ひとり死を他人が推奨する社会は怖い社会かもしれない

特別養護老人ホーム緑風園 総合施設長 菊地雅洋 「在宅ひとり死」という言葉を耳にする機会が多くなってきた。それはどういう意味だろう。厚生労働省の資料の中に「死亡別場所、死亡者数の年次推移と将来統計」というグラフがあるが、これには旧バージョンと新バージョンの2種類のグラフが存在する。

[経営課題]シリーズ・介護の扉

他人が頻繁に“ 解錠”することに超高齢者は耐えられるのか 重度介護者の在宅生活を支えるための「マストアイテ ム」。利用して当然と思うが、受け入れる家族には相応の経済的負担と予想以上の精神的負担がかかっていた。

[経営課題]《連載》弁護士直伝!介護トラブル解決塾 Vol.14

介護・福祉系法律事務所「おかげさま」代表 外岡潤 こんにちは、介護弁護士の外岡です。年が明けたと思ったら、あっという間に今度は年度替 わりの時期を迎えてしまいました。こちらの方がより年の「区切り」を感じられる、という方もおられるかもしれませんね。今回は、「行政との付き合い方」の具体策を説く後編になります。前回の相談事例のおさらいから始めましょう。

[経営課題]シリーズ・発掘 介護チャレンジャーを探せ!!

電話相談で家族介護を支える 角田とよ子さんは、東京都杉並区にある社会福祉法人「浴風会」で「介護支え合い電話相談室」の室長 を務めている。角田さんは2013年9月に「介護家族を支える電話相談ハンドブック」(中央法規)を出したばかり。本には副題がついていて、家族のこころの声を聴く60 の相談事例とある。

[レポ]シリーズ・施設探訪

お年寄りが社会資源に変わる地域に開かれた小規模多機能 小規模多機能型居宅介護事業所「おたがいさん」は、神奈川県藤沢市の先進事例として注目される。開設者の加藤忠相氏は、多くの先輩たちから学 んだだけと謙遜するが、お年寄りが社会参加を果たし、お年寄りから近所 の子どもたちが学ぶ、まさに地域活性化の拠点となっている。

[連載]シリーズ・介護施設のための健康講座

No.2「 深刻化する高齢者の糖尿病性眼疾患と視力の低下」 高齢化社会に深刻な脅威となっている様々な眼疾患

その他コンテンツ

[連載]聖隷福祉事業団に学べ(第29回)-日本最大規模の社会福祉法人-
[コラム]シリーズ・「障害」が障害でなくなる日。
[コラム]《老人たちの居場所》大型スーパーにみる高齢者の買い物は、やはり「倹約」と「我慢」の二刀流。
[World News]オランダの新しい介護事情を探る 第8回
[World News]イギリスのホームドクター、認知症ケア、ホスピスの実情を探る 第1回
税込価格 1,100円(税抜価格1,000円)
体裁 A4変形判60ページ
発行日 2014年3月15日

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