シニア・コミュニティ 2015年9・10月号・97号

【特集】家族支援とケアマネジャー

[特集:巻頭インタビュー]ケアマネジャーは単なる個人支援に終わるものではない

桜美林大学大学院教授・一般社団法人日本ケアマネジメント学会理事長  白澤政和氏 「新しい生活支援策を見いだせるメカニックを作っていくのが地域包括ケアシステム」
 地域包括ケアシステムについて、日常生活圏域で住まいがあって、医療があって、そして生活支援サービスがある。大変すばらしいし、結構なことだと思います。しかし、それをどのように実現をし、在宅の限界点をどのようにして高めて行けるかの方法が不在です。地域包括ケアシステムの目的は大事ですが、それを実現するための“ツール”が明確にされていない。理念を語ることも大事ですが、その理念をどう実現するかが、大きな課題だと思います。

[特集:インタビュー]
地域包括ケアシステムを担うケアマネジャーは制度を超えたところでも存在感を示すことが問われている

株式会社フジケア取締役副社長・事業部長  白木裕子氏 「家族へのアセスメントは最初の段階から丁寧に、丁寧に」
 私たちがケアマネジメントを提供するきっかけは、そもそもその方々が在宅で生活をされている中で「家族支援」の状況が破たんしたり、修復が必要になった時だと思うのです。しかし、大変なところを全て介護保険でやるのか、それとも一部だけ介護保険を使うことで在宅ケアが可能なのかは、家族や本人と話し合いを重ねながらアセスメントをしていきます。その時に考えなければならないのは、・・・。

[新医療通信]持続可能な24 時間対応を目指す悠翔会の在宅医療ネットワーク

医療法人社団悠翔会(本部:東京都港区) 「在宅医療の仕事を知って3 か月後に診療所を開設」
医療法人社団悠翔会は、東京・千葉・埼玉・神奈川の一都三県に在宅クリニック9 拠点を構え、常勤医23人・非常勤医35 人をはじめ、約150人のスタッフを擁する。「在宅総合診療」を掲げ、総合内科医が主治医として日常診療を担当。内科以外の専門診療が必要な場合には、精神科・心療内科、緩和ケア科・麻酔科、皮膚科・形成外科、整形外科、リハビリテーション科など、各科の専門医がチームを組んで対応する。また、歯科医師、歯科衛生士、看護師、理学療法士、管理栄養士、あん摩マッサージ指圧師といった多職種を配置。要介護高齢者やがん患者など、在宅患者のあらゆるニーズに応えられる体制を作っている。

[経営課題]現場発 施設長の声  迫りくる介護崩壊危機

特別養護老人ホーム緑風園 総合施設長 菊地雅洋 介護給付費の削減による社会保障費の圧縮―将来にわたる介護人材の確保はできない―――
 介護人材不足が叫ばれる中、介護事業者は職場環境を整え、キャリアパスを含めた待遇改善に努め、有能な人材が長く務めることができるようにし、人材を確保していくことが重要だと言われている。しかし本当に有能な職員が、環境の整えられた事業者において、その知識や援助技術を生かして働き続けることが可能だろうか? そのことが大いに揺らいでいるのが、今日の状況ではないだろうか?

[経営課題]シリーズ・介護の扉 “ 細い糸” にすべてを託した「在宅看取り」の曖昧

ひとり暮らし高齢者の金銭管理の「困難」  住み慣れた地域で安心して最後まで暮らす――。介護業界に身を置いている人たちヘキエキものの「地域包括ケア」という用語。“掴みどころ”がないコトバであるが、行政担当者は一心不乱で取り組んでいる。汗だくの地域包括支援センター関係者もいる。それでも、この用語が広く知られるようになるには、時間がかかるだろう。

[経営課題]弁護士直伝! 介護トラブル解決塾Vol.23おかげさまです、外岡です!

介護・福祉系法律事務所「おかげさま」代表 外岡潤 食中毒・集団感染が起きたらどうするか?―――
 有料老人ホームの施設長です。先日、テレビのニュースで、地元のよその施設で集団食中毒が起きたと報道されました。うちもご利用者に三度の食事を提供する以上例外ではなく、食中毒は潜伏期間が長いため、気づかないうちに感染が広がる様なことが起きないか心配です。
 うちでは食事に異常がないか試食する検食係を置き、その記録も付けさせ食中毒等の異常の早期発見・感染予防に努めています。ところが最近、・・・。

[経営課題]シリーズ・発掘 介護チャレンジャーを探せ!!vol.23

過疎の村でお年寄りに寄り添う  広島県福山市神辺町に三谷という集落がある。今回の主人公は、この村にある小規模多機能型居宅介護(以下、小規模多機能型)「おひいさん」とその管理者である細川美紀さんだ。
 三谷の集落は59 世帯があり、人口は177 人(平成22 年)の限界集落である。かつて賑わっていた小学校が廃校になって随分と経つ。小学校、幼稚園が無くなり、若い世代は町に出た。残ったのは高齢者で、老夫婦が支え合って暮らしているのも珍しくない。独居も多い。
 「おひいさん」(特定非営利活動法人ミニ介護ハウスあしたばの家)は2009 年7 月上旬にオープンした。同市の中条という地区にある「あしたばの家」がいわば本家。三谷の集落に住むお年寄りが、本人が望むように最期までこの地で暮らせるように支援をしたいと小規模多機能型を開設した。

[経営課題]シリーズ・施設探訪 サンシャイン・ヴィラ守谷倶楽夢(茨城県守谷市)

周囲の環境になじむデザイン・設計 地域に開かれた有料老人ホーム 施設らしくない家の形で周囲の環境になじむ老人ホーム―――
 茨城県守谷市は、県の南西端に位置する人口約6万5000人のベッドタウンである。2005年に首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスが開通し、東京・秋葉原駅から市の中心部の守谷駅まで、快速電車を利用して32分の距離。2005年から2010年の人口増加率が全国市区町村で第3位となり、東洋経済新報社の「住みよさランキング」では2008 年に総合1位(2015 年は総合10 位)となった。利便性と住環境の良さから、子育て世帯も増えている。
 その守谷駅から徒歩約10分、住宅街の雑木林に囲まれた中に「サンシャイン・ヴィラ守谷倶楽夢」がある。

≪特別連載 第6回≫ 「プラネット」初の研究大会が盛大に開催、成功裡に終わる

お揃いの緑色のTシャツを着て  福祉用具従事者の資質向上などを目的に昨年10 月に設立された「プラネット」のメンバーが、待ちに待ったこの7 月5 日の当日は、朝から小雨が降っていた。
 早朝から、会場には、これまで様々な準備活動を重ねて来た廣瀬英紀代表(参照弊誌:92 号)や伊藤勝規副代表(参照弊誌:93 号)なども現れ、大会実行委員長の東畠弘子国際医療福祉大学院准教授(参照弊誌:95 号)以下の準備会チーム(6 回開催)のメンバーは、プラネットカラーであるお揃いの緑色のTシャツを着て、熱心に各担当の作業に入る。
 これまで「プラネット」の運営を事務局として事務支援をして来た公益財団法人テクノエイド協会の寺光鉄雄普及部長(参照弊誌:96 号)やそのメンバー達もTシャツを着て、準備活動に入る。

その他コンテンツ

[コラム]《仙台から「地域」を考える》
      本人が語る思いや願いにどう向き合うか いま、改定後の現場で改めて問われている

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   連載第1回 寺門先生と共に行く 中国福祉視察に同行して~高齢者の介護・医療・障がい者対策~

税込価格 1,100円(税抜価格1,000円)
体裁 A4変形判56ページ
発行日 2015年9月15日

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