シニア・コミュニティ 2017年5・6月号・107号

【特集】変わる時代。介護事業の新しい可能性を探る

〚巻頭 TOPインタビュー〛 NPO法人グレースケア機構 代表 柳本文貴 氏
 ■ ケアの担い手が働きやすい仕組みをつくり 地域に「助け合い」の心を育む

介護保険制度に対して抱く“もどかしさ”が自費によるサービスを生み、自由でのびのびとした在宅ケアを提供し、創業と共に導入したヘルパーの「指名制」を専門職の待遇改善につなげるグレースケア機構。新しいケアへのヒントがここにはある。ユニークな発想で地元・三鷹に「助け合い」の輪を広げる代表の柳本文貴氏に、介護事業の可能性を見た。

〚特集・インタビュー〛 特定非営利活動法人日本トラベルヘルパー協会 代表理事 篠塚恭一 氏
 ■ 多様なニーズに応えきれない介護保険 柔軟な介護サービスが介護の世界を変える

ケアを必要としている人は様々なニーズを持っている。私たちは介護サービスをあまりにも画一的に捉えてはいないだろうか。利用者からサービスを選択する自由を奪っていないだろうか。介護保険制度そのものに依存しすぎていないだろうか。 日本トラベルヘルパー協会代表理事篠塚恭一氏は柔軟な介護サービスで“生きがい”を支える。

〚特集・寄稿〛 一般社団法人Neighborhood Care 吉江悟
 ■ 日本におけるビュートゾルフの動向とビュートゾルフ柏が目指すもの

 ◎ロゴがカッコいい!
 ◎北欧風の事務所の感じがカッコいい!
 ◎オランダでは信頼を象徴するというブルーのイメージカラーがカッコいい!
 筆者がビュートゾルフに対して抱いた当初の魅力は、実はこういったたいへん浅はかな薄っぺらいものである。そして、ビュートゾルフ柏という日本最初のビュートゾルフチームを開始してから1 年半経過した現在においても、意外とそのポイントは変わっていないことに気付く。
 本稿では、筆者がビュートゾルフという組織の特徴をどう捉えているか、またそれを踏まえた日本や柏での展開について、一部乱暴な私見を交えつつ触れていきたい。

[われらがHOPEを探せ!] 社会福祉法人蒼生会 デイサービスセンター・モモ
 ◎ 個性が集まって強固なチームになる

介護の現場で奮闘する職員やチームにスポットを当てる新シリーズ「われらがHOPEを探せ!」。第2弾は神奈川県相模原市を訪れ、社会福祉法人蒼生会が運営する「デイサービスセンター・モモ」にフォーカスする。職員一人ひとりの面白い“個性”がチームワークを育て、職場にはいつも笑顔が絶えない。HOPEを見つけた。

[今そこにある課題を追う!] NPO法人ミニケアホームきみさんち 理事 林田俊弘 氏
 ◎ 虐待の裏側に潜むもの 追い詰められているのは職員かも知れない

虐待はいつ、どこの施設、事業所でも起こりうる。しかし、それは突然にやってはこない。何気ない行為がエスカレートし、やがては虐待となって弾ける。その小さな芽は、実は職員の心の奥底に潜んでいるのではないか。自らのグループホームで虐待を引き起こし、その実態を目の当たりにした村田俊弘氏だからこそ、言葉の一つ一つが重くかつ説得力を持つ。

[介護福祉道場あかい花発 masaの声] 菊地 雅洋 北海道介護福祉道場 あかい花 代表
 ◎ 空きベッドが増えつつある特別養護老人ホームの経営戦略

選ばれる施設に向けて迫られる組織改革  みずほ情報総研が3月6日に公表した調査結果では、特別養護老人ホーム(以下特養)の25% 以上に空床が生じているとされている。空きベッドが生ずる理由は、大きく分けて2 つある。スタッフ不足により利用者を受け入れられないことと、入所希望者がいないことである。前者の場合は介護人材の不足が深刻化しているという意味であるし、後者の場合は地域によっては高齢化のピークが過ぎ、施設利用ニーズが減少している可能性を示唆している。
 今後の報酬改定でも施設サービス費は基本報酬のアップが見込めない状況下で、介護職員処遇改善加算のみがアップし、人件費率はさらに上がっていくことが考えられる。そのため・・・・・

[小島美里と日本の介護を考える] 小島美里 NPO法人暮らしネット・えん 代表理事
 ◎ これでも『公的介護保険』なのか 次期介護保険改正を巡って―――

 この稿がお手元に届く頃には、介護保険改正案(地域包括ケアシステム強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案)は国会を通過しているだろう。改正案が大きく修正されないかぎり、もはや介護保険は超高齢社会の命綱の役割を果たせない。4月12日の衆議院厚生労働委員会では審議途中で突然強行採決、翌日中途だった質疑を再開することで決着したが、およそ7500 万人が保険料を負担している社会保険の曲がり角なのに、なんてことだ!
 審議開始にあたって安倍総理大臣は・・・・・

[介護の扉] 藤ヶ谷明子 ジャーナリスト
 ◎ これからの「在宅」を支える有償ボランティアの今とこれから

 ◎どうしても理解できなかった「新しい総合事業」の一端が社会福祉協議会への取材で腑に落ちたという一件 ちょっとした日常の困りごとに対応する有償ボランティア―――
これまで抱いていた「有償ボランティア」に対する自分の不見識を思い知ることがあった。先日、首都圏のある社会福祉協議会(以下、社協)の有償ボランティアの「ふれあいサービス」を取材した。これは、介護保険の対象とはならない生活援助を提供するもので、利用者(利用会員)、提供者(協力会員)を事務局である社協コーディネーターが仲介する。
 措置福祉時代に在宅介護の取材を申し込むと、多くの自治体から社協で行っている同サービスを紹介された記憶があり、仕組み自体はかなり前から続いていると思われる。サービスは掃除や調理のほか、・・・・・

[弁護士直伝!介護トラブル解決塾Vol.32おかげさまです、外岡です!] おかげさま 代表 外岡潤 弁護士
 ◎ Q.チラシに「満足度」を書いてもいい?

こんにちは、外岡です。介護保険制度改正に伴い報酬の大幅な削減対象として、やはり通所や訪問の報酬が狙われているようです(4月20日財政制度等審議会より)。今現在、日本全国には大小合わせて20万近くの事業所があるといわれますが、これからは「個性の時代」、ただ“手厚い介護”を謳ってサービスを提供しているだけでは生き残れません。ご利用者から選ばれる事業所になる必要があります。そのためにはまず自分の事業所を知ってもらうことが必要ですから、当たり前のようにチラシ配りが行われていますが、介護事業所が配るチラシに書いていいこと、いけないことの境はどこにあるのでしょうか?

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税込価格 1,100円(税抜価格1,000円)
体裁 A4変形判56ページ
発行日 2017年5月15日

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