シニア・コミュニティ 2019年11・12月号・122号

【特集Ⅰ】認知症を生きる当事者と繋がる地域  ◆ ただ傍らにいる、という価値観◇稲田秀樹
 ◆ 認知症を生きる◇近藤英男
 ◆ 「アニエルチ」というカタチ◇大谷佳弘・大谷美菜子

【特集Ⅱ】支えていけるのか――在宅サービス  ◆ 使いにくさを増す介護保険
 ◆ 登録ヘルパーの現状から聞こえてくるもの
 ◆ 介護保険見直しの動きにむけた提言
 ◆ 映画「人生をしまう時とき間」にみる在宅支援

【Interview】  ◆ 音楽を通してその人らしさに光を当てる◇柴田萌

【Topics】  ◆ 「スマート介護士」資格がめざすもの◇松村昌哉

【Opinion】  ◆ 介護福祉道場あかい花発masaの声◇菊地雅洋
 ◆ 小島美里と日本の介護を考える◇小島美里
 ◆ 介護の扉◇藤ヶ谷明子
 ◆ 介護トラブル解決塾◇外岡潤

【Column】
【Etc.】



「シニア・コミュニティ 2019年11・12月号」表紙


【特集Ⅰ】認知症を生きる当事者と繋がる地域

認知症への理解は深まりつつあるけれど――――
若年性認知症の方たちが〝声?を上げ始めてからどれほどの時間が経っただろうか。それまでは「何も分からない人」だと思われていた認知症の人たち。彼たちの周りに寄り添う人たちでさえ、どうしてそんな症状が出るのか分からないままに長い時間戸惑い、苦しんできた。いま、当事者の方たちの声は確実に世の中に伝播し、認知症に対する理解も深まりつつある。
しかし、ここから先が大事なのではないだろうか。認知症の人たちを地域はどのように受け入れ、共に暮らしていけばいいのか。地域包括ケアシステムが動き始めてからも数年という時間が過ぎ去っている。ここにきて、国はしきりに「共生社会」を唱え始めている。しかし、「制度」では限界があることが見えてきているのではないか。地域の中にどっぷり浸っていながら、一般市民の視点で見たとき「包括」も「共生」も全く見えてこないのは、なぜだろう。

市民が自主的に動かなければ何も変わらない――――
答えは〝市民の側?にあると思えてならない。市民を突き動かすものが無いとも言えるが、上からの〝お達し?に慣れきった私たちの責任は非常に大きいのではないか。国や行政の顔色ばかりを見るのではなく、市民が自主的に事業を動かしていかなければ何も変わらない。制度は市民の活動をバックアップするツールとして使えばいい。鎌倉。この街には社会の困りごとを「放っておけない」人たちが多いと聞く。NPO法人「かまくら認知症ネットワーク」に集う〝おせっかい?な人たちもそうに違いない。いま、自主的に始めた活動が地域との連携をてこに広く深く広がろうとしている。

当事者を真ん中に置くことから始まる――――
ここでは当事者の方が真ん中に立って、認知症の啓蒙活動が行われている。若年性認知症の診断を受けた近藤英男さんはNPOのメンバーとしてその先頭に立つ。明るいキャラクターはみんなに愛されている。近藤さんを中心にネットワークの輪がどんどん広がっている。発信力はとてつもなく大きい。認知症のことを、ただ語っているだけでは何も解決しない。当事者と地域が繋がって、新しい何かが生まれようとしている。

 ◆ ただ傍らにいる、という価値観◇稲田秀樹(株式会社さくらコミュニティーケアサービス代表)
 ◆ 認知症を生きる◇近藤英男
 ◆ 「アニエルチ」というカタチ◇大谷佳弘(特定非営利法人ANIELCHI代表理事)
                 大谷美菜子(あにえるち保育室管理者)

【特集Ⅱ】支えていけるのか――在宅サービス

10年後、誰が「在宅」を担うのか

いま、介護の世界は「無風」だと言う人がいる。
確かに制度改正の話題はない。
一時は問題になったとしても、いつの間にか国の方針通りに決まっていく。
しかし、無風と感じさせる中に、実は大きな問題が潜んでいるのではないか。

そのひとつが「在宅」であろう。
果たして「在宅」とは何だろうか。
国の言う「在宅」と一般国民が考える「在宅」には“かい離”があるのではないか。
自分の家で、と考える高齢者。
サービス付き高齢者向け住宅も「在宅」と位置付ける制度。

「在宅」を取り巻く最も大きな問題は、ヘルパーの高齢化ではないだろうか
訪問介護の根幹を担うヘルパーの平均年齢が60歳を超えていることを、
国民は知っているだろうか。
国はもちろん把握しているだろうけれど、未だに有効な手は打たれていない。
10年後には確実に訪問介護を担うヘルパーがいなくなることは明らかだ。
国が期待する家族にも、経済面を含めてすでに高齢者を支える力はない。

先の見えない「在宅」の行方。
耳に心地よい“スローガン”だけでは一歩も前に進まない。
介護関係者だけではなく、国民一人ひとりがそれこそ「我が事」として真剣に考え、
行動しなければならない。

残されている時間は少ない。

 ◆ 使いにくさを増す介護保険
 ◆ 登録ヘルパーの現状から聞こえてくるもの
 ◆ 介護保険見直しの動きにむけた提言
 ◆ 映画「人生をしまう時とき間」にみる在宅支援

interview

介護に対する考え方はもう少し〝多様化?してもいいのではないかと思う。もっとさまざまなアプローチがあってもいい。そこから新しい介護の在り方が生まれ、介護を支えるフレッシュな人材が育つのではないか。音楽はその可能性を広げるもののひとつに違いない。
 ◆ 音楽を通してその人らしさに光を当てる◇柴田萌(株式会社リリムジカ代表取締役)

Topics

2019年3月、介護業界に新しい資格が生まれた。「スマート介護士」である。
すでに2,000名を超す受験があり、これからの介護事業を支える新たなスキルとして注目を集めている。
介護ロボットと先端技術の導入は、介護業界においても避けて通れない。
介護人材の需給ギャップを埋めるには、生産性を上げることが求められるからだ。
 ◆ 「スマート介護士」資格がめざすもの
    これからの介護事業に求められる介護ロボットと先端技術を活かしたオペレーションの変革
      ◇松村昌哉(社会福祉法人善光会 サンタフェ総合研究所所長)

Opinion

●リーダーの覚悟によって職場環境は変えることができる
   ◆ 介護福祉道場あかい花発masaの声◆菊地雅洋(北海道介護福祉道場あかい花代表)

●「健康寿命」の延伸は介護保険のテーマじゃない
   ◆ 小島美里と日本の介護を考える◆小島美里(認定NPO法人暮らしネット・えん代表理事)

●そして誰も使えなくなる・・・・・・?
   ◆ 介護の扉◆藤ヶ谷明子(ジャーナリスト)

●弁護士直伝!介護トラブル解決塾 おかげさまです、外岡です! vol.47
   ◆ 介護トラブル解決塾◆外岡潤(弁護士/介護・福祉系法律事務所「おかげさま」代表)

Clumn

●政策のダシに使われる「高齢者」    ◆ 老人たちの居場所◆中山賢介(コラムニスト)

●『ことば』を吹き込む    ◆ 佐々木炎(NPO法人ホッとスペース中原代表)

●外国人にも見放されたら    ◆ 中村浩士(介護老人福祉施設麦久保園法人事務局長)

Etc.

 ◆ レポート「認知症について認知症の人から学ぼう!」
 ◆ WATC NOW
 ◆ 今、なぜドイツか
 ◆ 書評

税込価格 1,000円 + 税/定期購読(6冊分):6,000円(送料別)
体裁 A4変形判56ページ
発行日 2019年11月15日

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